アトピー性皮膚炎と脱ステロイドについて





最近、いろいろなSNSやインターネット上で脱ステロイドや脱ステという言葉をよく目にするようになってきました、しかし、特に脱ステロイドについては、体本来の持つステロイド生成能力を回復するには良いですが、脱ステ自体は根本的な解決にならないので、そのあたりを纏めていきたいと思います。むやみに脱ステロイドに走るのはただ症状を悪化させるだけで良くありません。

脱ステロイドだけではアトピーは治らない

脱ステロイドを行うと、すぐに炎症が酷くなるので相当の覚悟が必要です。脱ステロイドに至るステロイド軟膏を少なくしていく方法や食事改善をトータルに計画して専門医の元で始めるべきです。

脱ステよりも、個人的な実体験からも、まずはアトピーの原因となっている食事や生活習慣を改善して体本来の免疫力を回復してアトピーの炎症を改善。その状態になるまで、ステロイドはある程度併用する必要があると思います。一旦、アトピーの炎症が軽減したら、ステロイドの塗布も少なくしていき、最終的にはステロイドを使用しなくなるというのが手順。

というのも私自身、30代の一時期、脱ステロイドにチャレンジしましたが、炎症はひどくなるだけで、1ヶ月も耐えることができませんでした。夜はじゅくじゅくした炎症や痒みのため寝ることはできませんし、お風呂も血行が良くなり、痒みが増えるので入ることができませんでした。

また、唇や首などこれまでなかった部位にも炎症ができ、かさぶたや皮膚が剥がれて出てきていましたが、ステロイドではなく保湿剤しか使わないので、炎症自体は治りません。いくら保湿剤を塗ってもアトピーの炎症は治らないので、外に出て行くのも億劫になってきます。

その後、30代後半でわかるのですが、 アトピーは腸内環境が乱れ、体本来の免疫力が下がったことによる炎症が体外にでた病気です。 まずはその原因から治さないと対処療法をいくら変えても意味がないということです。

体の中から変えていかないといけない=食事や生活習慣の変更をセットにしなければ、脱ステロイドは意味がありません。他の記事でも纏めていますが、アトピーは食生活と生活習慣だけで改善することができます。ステロイドと保湿剤は症状と合わせてうまく使用して行き、最終的に使わなくなる、というのが道筋だと信じています。

庭先で育てた花が枯れてしまったら、花に薬を塗ったり、薬を変えたりしても根本的な解決にはなっていません。普通はプランターの中にある土に水をやったり、栄養を与え、環境を改善したり土壌から変えないと綺麗な花は咲きません。アトピーの治療も同じことです。

ステロイド剤と副作用

ステロイドとは、副腎(両方の腎臓の上端にある)から作られる副腎皮質ホルモンの1つです。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症を抑えたり、体の免疫力を抑制したりする作用があり、さまざまな疾患の治療に使われます。

ステロイドを大量に使用すると体の抵抗力(免疫力)が低下するために、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、ステロイド骨粗鬆症・ステロイド糖尿病、精神症状やムーンフェイスなどの副作用があるとされています。

以下が皮膚科で処方されているステロイド剤の一覧です。処方の際にはその強さなどは説明されていないため、表で確認してみてください。ステロイドは、その強さによって、5群(1群:最強、2群:非常に強力、3群:強力、4群:中程度、5群:弱い)に分類されています。

主要外皮用剤一覧 監修 山本一哉(前立小児刺院皮膚科医長)




ステロイドを使いすぎると効かなくなる

ただ、重篤な副作用よりも身近に問題なのは、アトピー治療のためのステロイド外用の長期使用で、体本来のステロイド産生能力が低下することです。私自身も、ステロイドをずっと使っていた30代前半では、炎症部分に塗っても次の日にアトピーが改善しないということが多くありました。そんな場合は皮膚科では種類の違うステロイド剤を処方されてしまいます。そうするとどんどん強いステロイド剤を処方され負のスパイラルになっていきます。

このように体がステロイド剤に慣れてしまって、体自体がステロイドを作れなくなった状態では脱ステロイドは有効だと思います。食事や食生活で炎症が軽減したら、2週間でもステロイドをストップして新しくステロイドを塗ってみると次の日にはすごく効きが良いです。

また、保湿剤については、肌が乾燥すると外的な要因で痒みがますので、使う必要があります。最近はビーソフテンやヒルドイドローションなど、季節に合わせて使うことができる保湿剤があるので、常に保湿は行うべきだと考えています。ただ保湿剤でアトピーが治ることはありません。

脱ステロイドを始める前に食事と食生活の改善を!

以上のように、脱ステロイドは副腎質ホルモンを体が再び作れる状態に戻すことはできるかもしれませんが、基本はそれだけでアトピーは改善しません。そもそもアトピーは現代病の代表とされていて、昔はなかった病気です。

アトピーが現代病を代表する病気になった理由は、いまの便利になった反面どんな食べ物にも入っている化学保存料や不自然に改良された炭水化物(たんぱく質)たちにあります。そのような食べ物を多く無意識に食べてしまい腸内環境が悪くなり、体本来の免疫力が下がったり乱れ、その炎症が体外にアトピーとして現れます。

脱ステロイドをする前に以下のことをすぐに試してみてください。

コンビニで買い物をするのを止める

今すぐにコンビニ弁当や清涼飲料水など、現代の不自然な保存料が入った食べ物を摂ることはやめてください!コンビニは便利ですが、コンビニで買うことができるのはバナナなどの果物、お水、淹れ立てのコーヒーくらいです。クッキーやお菓子、サンドイッチやパンなども厳禁です。フライドポテトやからあげクンなどは悪魔の食べ物です。

コンビニ食が危険でアトピーにも悪いことは以下の記事に纏めています。

アトピーが必ず改善する食生活:脱コンビニで免疫力をアップ

2019.07.05

グルテンフリーに取り組む

ジョコビッチ選手のグルテンフリー本で日本でも一躍有名になった食事方法です。現代の品種改良された小麦に含まれるグルテンを多く取ることで腸内環境が悪くなることがアトピー・アレルギーの原因と言われるようになりました。ぜひ、食事の改善の一つとして、グルテンフリーを試みてください。

重篤なセリアック病でなくとも、グルテン過敏症やグルテン不耐症は、小麦アレルギーとは異なり、小麦を食べるとすぐに痒みが出たり顔が腫れたりするようなアレルギー反応はでませんが、腸内では確実に免疫力下がっています。

腸内環境が悪くなると便秘・下痢などだけでなく、身体を病原菌やウイルスから守る免疫システムが崩れてしまい、アトピーなどのアレルギー疾患が出てきてしまいます。それだけではなく、リウマチなどの免疫疾患や倦怠感や自律神経失調など色々な症状の原因とも考えられています。

グルテンフリーとアトピー・アレルギーの関係は以下の記事で纏めています。ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

アトピーを必ず改善する食生活はグルテンフリー。始めたきっかけと2年間の効果。

2019.06.28

牛乳や乳製品を控える(カゼインフリー・ラクトースフリー)

いわゆるラクトースフリーやカゼインフリーという食事方法です。今日では牛乳の危険性が取り上げられるようになりましたが、実体験から特に牛乳はアトピーに悪いと思っています。

牛乳に含まれるカゼインは、分解されにくいアミノ酸配列のため、腸に入ると腸の粘膜に傷をつけ、炎症を起こします。特に腸の働きが弱いアレルギーの人はこれらのカゼインが炎症を起こして、腸の壁が目の粗いザルのようになります。そのため、必要な栄養素を取り込むだけではなく、有害な物質も入り込んでしまうのです。

上記のグルテンと同じように、カゼインの悪作用は腸に炎症を起こして、腸内環境を悪くすることで、腸内環境が悪くします。人間に本来備わっている免疫力が下がるということはアトピーの炎症になって現れます。

カゼインフリーとグルテンフリーは両方を実践することで、免疫力があがり、アトピーや花粉症、アレルギーには絶大な効果があります。カゼインフリーについては以下のブログを参考にしてみてください。いま飲んでいる牛乳は全て豆乳やアーモンドミルクに変更しましょう。

アトピーを改善する食事はカゼインフリー

2019.07.10

脱ステロイドのまとめ

SNSでアップされている脱ステロイドの経過写真等を見るたびに、食生活は改善しているのか、運動や質の高い睡眠はとっているのか、質問したくなります。ただ単に脱ステロイドを行うことはアトピーの解決にはならないので、ぜひ、食事を改善してうまくステロイドや保湿剤と付き合って欲しいと思っています。